恵みの中で…


by mariko0204

しーちゃんは凄い!

 しーちゃん(姑)は84才、私とは30年のお付き合いである。

若い時は、自転車にも乗れずどこへ行くのも徒歩、無口で人との付き合いが苦手。
どちらかと言うと、人から疎外されるほうの部類であったそうな。
近所のお友達が、公民館講座やなんだかだと揃って自転車で出かけるときも、
行動を共に出来なかった。

ところが、年をとってからしーちゃんは自転車に乗るようになった。
亡きおじいさんが、三輪車をプレゼントしたのだ。
それからしーちゃんの行動範囲はとても広くなった。
隣の町まで買い物にも三輪車に乗って出かけた。

同じ年頃の人は、高齢になってぼつぼつと自転車に乗らなくなった。
しーちゃんは転ぶ心配のない三輪車で、近くの病院やスーパーへすいすい走っていく。

無口であったしーちゃんはあまり人の悪口を言わない。
嫁の(私)悪口も近所の人に言わないらしい。
おばあさんが集まると、とかく人のうわさ話に花が咲くらしいが、
耳が遠くなったこともあって、話に加わらないそうだ。
「しーちゃんは人の悪口をいわはらへんから偉いな~。」と近所のおばあさんたちから
信頼をされるようになった。

自転車に乗れなかったしーちゃんは、いつもどこまでも歩いていたので足腰が強く体力もある。
一年前転んで大腿部を骨折したけれど、手術をした先生が驚くほどの快復ぶり。
今では杖も飾りのようなものである。
少し足は不自由になったが、畑仕事も頑張っている。
自分でできないところは、杖で光くんと私を使う。

耳や足の不自由さをもろともせず生き生き暮らすしーちゃんを、今では「しーちゃんみたいにならんと・・・」と目標にする人が現れてきた。

人の一生は本当に分からないものである。
若い時、いろんな意味で弱い人であっても、人生の終盤に来て脚光(ちょっとオーバーかな)をあびるなんて・・・

嫁いで間のない頃、しーちゃんのことがなかなか理解できなかった。
「しーちゃんを愛することが出来ますように・・・」
ず~っと祈ってきたけれど、ようやく祈りが聞かれたな~と思えるこの頃です。
by mariko0204 | 2006-01-14 22:08 | しーちゃん