恵みの中で…


by mariko0204

流氷と花咲線 3




いよいよ花咲線(JR根室本線)に乗る。


朝、釧路駅へ行くと
根室からの列車が鹿と衝突して
車両点検をするので少し遅れると
駅員さんが申しわけなさそうに
わたし達ともうひとりの乗客に何度も謝られる。

ここでも北海道の人の誠実な温かさに触れる。

昨日までの賑わいは嘘のように
根室線はひっそりと一両の列車が乗客を待っている。


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根釧原野
車窓にはこんな風景が続く

駅近くになると集落が見え、そこを過ぎると時折はるか遠くに赤い屋根のサイロや
住宅らしきものが見えるだけで、人の姿はない。
牛たちも冬の間は放牧されずに、牛舎に繋がれているのだろう。



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ずいぶん前に
この地へ入植し酪農を志した家族が、厳しい自然となれない酪農という仕事に苦しい日々を綴った、自叙伝のような小説を読んだことがある。

車窓からではあるが、この原野を見てその小説を思い出した。


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線路上を走る鹿をよく見かけた。
警笛を鳴らしてもなかなか退こうとしないのもいて、仕方なく列車は停車して警笛を鳴らしながら鹿が退くのを待つ。

このときは車体にぶつかって、可哀そうに命を落とした。
運転手さんが死体の始末に車外へ降りる。
家族を失ったことがわかるのか、↑この二頭はなかなか動こうとしなかった。

線路脇に鹿の死体を時々みかけた。
雪の中に横たわったそれに、とりたちが群がっている。

かわいそうにと思うが
見かける鹿のあまりの多さに、仕方のないことかもしれない、と。

根室駅到着時、乗客はわたし達を含めたった4人。
赤字路線なのだろうか。
駅前を歩く。
海産物のお店が何軒かあり覗いてみる。

根室は風が冷たく寒かった。






幣舞橋から釧路川沿いを港に向かって歩く。

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釧路最後の夜は


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ちょっと豪華に炉端焼き





道東はその後、何度か暴風雪に見舞われ、石北線も釧網線も運休となり
国道も通行止めになり、またまた陸の孤島となった日があったそうです。


ほぼ計画通り旅が続けられたのは、本当に恵みであり感謝でした。




                

            主はすべてのものにいつくしみ深く
            そのあわれみは
            造られたすべての物の上にあります。
                           詩編143:9





          
by mariko0204 | 2015-03-03 20:54 |